顧客の属性や行動に点数をつけ、アプローチの優先順位を決めるマーケティング手法を「スコアリング」といいます。見込み客が多い場合、無作為にアプローチすると時間を浪費してしまいます。そこで、購買意欲の高い顧客に優先的にアプローチするために、スコアリングが重要となります。今回は、マーケティングに欠かせないスコアリングについて解説します。

見込み客の優先度を評価するスコアリング

商品やサービスをまだ購入していないが、購入の可能性がある人を「見込み客」と呼びます。例えば、自社サイトを訪れたり、資料を請求したりする人は見込み客です。この見込み客の中で約4分の1は既に購入を決意しています。一方、残りの4分の3には継続的なアプローチが必要です。そこで、見込み客にポイントをつけて優先度を数値化するスコアリングが重要となります。

属性と行動を軸にしたスコアリング

スコアリングには主に二つの方法があります。属性に基づくスコアリングと行動に基づくスコアリングです。

属性を基にしたスコアリング

属性スコアリングでは、見込み客の年収、役職、勤務する会社の規模などにスコアをつけます。例えば、役職では決定権を持つ役員に+30点、部長クラスに+20点、一般社員に+10点といった具合です。年収によるスコアリングでは、年収800万円以上に+20点、500万円以上800万円未満に+10点、300万円以下に+5点をつけます。

複数の属性を組み合わせることで、よりターゲットに適した層にアプローチできます。例えば、カーシェアリング会社では自家用車の有無や運転頻度、独身・既婚などの属性が重要です。不動産会社なら住んでいる地域や家族構成がスコアリングに有効です。

行動を基にしたスコアリング

行動スコアリングでは、商品購入に関連する行動にスコアをつけます。例えば、自社サイトの商品ページを閲覧したら+5点、メルマガ登録で+12点、カタログ請求で+10点、予約ページの閲覧で+15点などです。より購買意欲の高いアクションには高い点数をつけます。メールの開封やクリック、イベント参加もスコアリングの対象となります。

スコアリングの重要性

スコアリングで重要なのは、その時点での購入可能性を正確に算出することです。以前はスコアが高かった見込み客でも、最近の動きが少なければ減点します。逆に、店舗に訪れるなどの重要なアクションがあればスコアを追加し、見込み客のランクを上げます。また、自社サイトの訪問が多くても、採用情報やIR情報を閲覧している場合は購買意欲が低いと考えられます。

スコアリングの実施

スコアリングの基準は企業ごとに異なります。まずは社内で基準を決め、スコアリングを実施しましょう。実施過程で検証と調整を行い、最適化することで効果的なスコアリングが実現します。スコアリングを通じて、見込み客に効率的にアプローチし、売上向上を目指しましょう。